フィクション世界を真面目に研究する遊び『ゾンビで分かる神経科学』

薬学をやっている弟に借りて読んだ本。ゾンビにも神経科学にもそんなに興味はなかったが、ゾンビと神経科学を組み合わせて本を書こうという作者の考えが面白いと思ったので読んでみた。 神経科学というのは、人間とか動物とかが神経や脳を使ってどのように世…

戦争は撃ち合うだけじゃない『補給線』

戦争と言えばやっぱり戦闘の場面が真っ先に思い浮かぶ。戦車とか兵士とかが陣形を組んで激しく撃ち合いをして、走ったり血を流したり絶望したり歓喜したりするような、そんな場面。そこでどのように行動するかが勝敗を決める、と早計な人は考えがちだが、勝…

鋭く愛のある人間観察 『無名仮名人名簿』感想

ドラマ脚本家・向田邦子氏のエッセイ集。 大人といえば「真面目で、品行良く、気が利き、しっかりとした人」という大人像があると思うが、実際のところ世の中にはそうでない大人も多く存在する。まぬけだったり怠惰だったり、妙な癖があったり卑しかったり。…

知識はワインの味わいを何となく増してくれる 『基礎ワイン教本』感想

聖書なんかにも出てくるぐらい、欧米では親しまれているワイン。もちろん日本人も飲むんだけど、自分としては学生時代に初めて飲んで以来、どこか取っつきにくさみたいなものを感じていた気がする。個人的にはフレンチやイタリアンは大好物だし、そういう食…

夢を追う人間と、それに付き合うめっちゃ良い犬『ウイスキー!さよなら、ニューヨーク』感想

写真家宮本敬文氏が写真家を志してニューヨークに渡り、そこでどう生きたかを記録した自伝。題の「ウイスキー」は酒ではなく、ニューヨークにいる間に飼うことにした犬の名前。多分写真だけじゃなく文章がめちゃ上手い人で、夢を追いかけたいという野心と、…

磨き上げられた戦争のノウハウ 『戦術と指揮』感想

自分と関係ないことでも、卓越した技術とか洗練された考え方とかいう人間の成果物にふれるとき、美しい芸術品を見るときと似た感動を覚える。俺は軍人ではなく民間企業に勤めるサラリーマンだし、その会社が武器を売ってたりするわけではない。それなのにこ…

恋愛がもたらす静かで残酷な仕打ち『ウエハースの椅子』感想

「絶望」と聞いてどんな感情を思い浮かべますか?何か脅威となるものが現れたり、拠り所としていたものがなくなったりして「うわ~~~」と叫んで膝から崩れ落ちそうになる感じを俺はイメージする。わりと絶望のイメージって一般的にそんなもんと違うかな。 …

色んな切り口で見れるのが歴史の面白さ『砂糖の世界史』感想

カタカナを覚えるのが面倒で、高校の時の俺は世界史を真面目に勉強しなかった。でも今はそのことを激しく悔やんでいる。なんで世界史ではなく日本史を選択したのか、なんで世界史の面白さにあの時気付かなかったんか、と。高校のときに世界史を選択しなかっ…

「頭を使う」を具体的に言うとこうなる 『知的複眼思考法』感想

なんか偉い人とかがインタビューか何かで、「この不確実性が増している現代に生きる人間は、ただ時流に流されるままでいるのではなく、自分の頭で考えて生きなくてはならぬ。自分の頭で考えよ!若者よ!」みたいな自己啓発的な発言をするのを見聞きすること…