『色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年』感想

村上春樹の小説は割と好きでよく読むけど、基本的に主人公がかなりすかしている。
しかし今回読んだこれはすかしていながらも自分の弱さとか不安とかを読者さらけ出していて好感が持てた。
そういったところも含めて、村上作品のわりには現実感というか生活臭のある小説のように感じて新鮮だった。

自分に何も優れたところがない、と思い悩む主人公が、実は仲間から見れば羨ましいものをもっているのだと気づく場面が最高。